作・演出=吉永仁郎 演出補=中島裕一郎
7-8月 中部北陸
権威、権力、盛名、自己顕示を徹底的に嫌い、一切の群れに加わらず、時流に背を向けた文豪・永井荷風[1869-1959]。小説ではひかげの女性に温かなまなざしを注ぎ、日記「断腸亭日乗」には軍政府へのきびしい批判を書きつらねました。戦後は千葉県市川市に移り住み、江戸の面影を残すその自然と風情を愛します。
荷風は世間とつきあわず家庭をもたず、ときに独り暮らしのさびしさが身にしみたようですが、個人の自由を求めつづけ、最期も独居老人の孤独死をみずから選びます。いま荷風が生きていたら日記に何を記すでしょうか。自分らしい生き方を望んだ半生を、老後と過去とを行き来しながらユーモラスに描きます。
荷風役の水谷貞雄が、読売演劇大賞優秀男優賞を受賞。「本当に荷風はこんな人だったのではと思わせる、飄々とした雰囲気があった」と絶賛されました。
昭和三十二年秋の昼下がり、市川市八幡。独りで暮らす七十七歳の荷風が、書斎にもち込んだ七輪に木片をくべて、野菜入りの自称釜飯をつくっている。そこへかつての愛妾お歌が久しぶりに訪ねてくる。
お歌はそのわびしさに驚くが、荷風は二千万円の預金通帳を入れたカバンを置き忘れたことも面白おかしく語ってみせる。思い出話はやがて四十年書きついだ日記へと移り、名作「濹東綺譚」の娼婦お雪との日々がよみがえる……。
◆各地公演チケット好評前売中!◆
●チケット料金(全席指定・税込):4,000円 ※各地共通
●お申込み・お問合せ:劇団民藝 ☏044(987)7711
上演地 日時(2022年) 会場
【名古屋】7月14日[木]18時30分・15日[金]13時30分 日本特殊陶業市民会館ビレッジホール
【稲沢】 7月16日[土]15時30分 名古屋文理大学文化フォーラム大ホール
【豊橋】 7月17日[日]18時・18日[祝]13時30分 穂の国とよはし芸術劇場主ホール
【伊勢】 7月20日[水]18時30分 シンフォニアテクノロジー響ホール伊勢
【津】 7月21日[木]18時30分 三重県文化会館中ホール
【岐阜】 7月22日[金]18時30分・23日[土]13時 岐阜市民会館大ホール
【江南】 7月24日[日]16時 江南市民文化会館大ホール
【知多】 7月26日[火] 18時30分 知多市勤労文化会館つつじホール
【岡崎】 7月27日[水]18時30分 岡崎市民会館あおいホール
【砺波】 8月2日[火]18時45分・3日[水]13時30分 砺波市文化会館大ホール
【富山】 8月4日[木]18時30分・5日[金]13時30分 富山県民会館大ホール
【魚津】 8月8日[月]18時30分 新川文化ホール大ホール
【高岡】 8月10日[水]18時30分・11日[祝]13時30分 富山県高岡文化ホール
【金沢】 8月23日[火]18時45分 金沢市文化ホール
永井荷風(本名は壮吉) | 水谷貞雄 |
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若い男(カメラマン) | みやざこ夏穂 |
福田トヨ(近所の女) | 田畑ゆり |
お歌(荷風の昔の妾) | 白石珠江 |
お雪(玉の井の娼婦) | 飯野 遠 |
永井久一郎(荷風の父) | 佐々木梅治 |
老人(荷風の友人) | 松田史朗 |
喫茶店の女給<ダブルキャスト> | 高木理加 |
〃 | 長木 彩 |
中年の新聞記者 | 佐々木 研 |
若い新聞記者 | 保坂剛大 |
壮士風の男 | 橋本 潤 |
浅草の踊子4人(声だけ) | 吉田陽子 |
〃 | 笹本志穂 |
〃 | 金井由妃 |
〃 | 増倉佑美 |
装置 | 堀尾幸男 |
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照明 | 前田照夫 |
衣裳 | 宮本宣子 |
効果 | 岩田直行 |
舞台監督 | うちだ潤一郎 |