原作=井伏鱒二 脚本=吉永仁郎 演出=高橋清祐
12月 北海道
原作は『山椒魚』『黒い雨』などで知られる井伏鱒二が36歳の頃に執筆した同名の中編小説で、行く先々で二人が出会う一風変わった人びととのやりとりや、同行二人の微笑ましい交情が、井伏文学独特のユーモアにくるまれて、どこか牧歌的風景を感じさせます。初めての井伏作品舞台化にあたり、脚本の吉永仁郎さんは「芝居を観ながら、良質の小説を読んでいるような気分に浸ってもらえたら。そんな静かな喜劇にしたい」と語っています。
東京荻窪のアパートの主人がぽっくり亡くなった。家族も親戚もなく、遺されたのはかなりの額の借金。担保に入ってしまったこの安アパートが気に入ってこの先も住み続けたい居住者たちは一計を案じる。部屋代を踏み倒して夜逃げしていった不心得者たちの郷里を巡り、故人に代わって滞納金を取り立て、借金の返済に当てようというのだ。不運な役を受ける羽目になった十号室の自称"売れない小説家"のヤブセマスオ氏はしぶしぶ中国地方・九州へ向かう。それを知った七号室のコマツランコさんは、同行して各地にいる昔の不実な恋人たちから慰謝料を取り立てたいと……
こうして目的の違う集金人二人の奇妙な道中が始まる。
十番さん(ヤブセマスオ・小説家) | 西川 明 |
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太宰 治(作家志望の学生) | 神 敏将 |
〃 | 塩田泰久 |
五番さん(富士荘の居住者・勤め人) | 小杉勇二 |
七番さん(コマツランコ・職業不詳) | 樫山文枝 |
香蘭堂(荻窪の地主・文具店) | 今野鶏三 |
岩国の宿の女中 | 箕浦康子 |
杉山良平(岩国の金融業者) | みやざこ夏穂 |
相原作之助(岩国の名士) | 水谷貞雄 |
福岡の宿の女中 | 有安多佳子 |
ミノヤカンジ(下関の医者) | 山本哲也 |
阿万築水(福岡の没落地主) | 内藤安彦 |
阿万克三の妻(築水の弟の妻) | 河野しずか |
紋付の男(広島・加茂村) | 岡山 甫 |
鶴屋幽蔵(加茂村の地主) | 吉岡扶敏 |
津村家の番頭(広島・新市町) | 伊藤孝雄 |
装置 | 堀尾幸男 |
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照明 | 中川隆一 |
衣裳 | 半田悦子 |
効果 | 岩田直行 |
舞台監督 | 中島裕一郎 |
上演地 | 会場 | 上演期日 | 上演回数 | お問合せ |
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函館 | 函館市芸術ホール | 2019年12月3日 | 1回 | 函館演劇鑑賞会 0138-51-7376 |
江別 | 江別市民会館大ホール | 2019年12月5日 | 1回 | 江別演劇鑑賞会 011-383-3222 |
札幌 | かでるホール | 2019年12月6日~8日 | 3回 | NPO法人演劇鑑賞会北座 011-241-7081 |
釧路 | 釧路市生涯学習センター まなぼっと | 2019年12月10日 | 1回 | くしろ演劇みたい会 0154-25-6405 |
旭川 | 旭川市公会堂 | 2019年12月12日・13日 | 2回 | 旭川市民劇場 0166-23-1655 |
計8回