作=木下順二 演出=兒玉庸策(第一部)/丹野郁弓(第二部)
2018年2月24日(土)~3月10日(土)
紀伊國屋サザンシアター TAKASHIMAYA
文化庁文化芸術振興費補助金(舞台芸術創造活動活性化事業)
人は未来を急ぎすぎる。あまりに多くの未清算の過去を残したまま……
壮大な構想による「神と人とのあいだ」二部作を、初めて一挙上演!
木下戯曲を貫く「未清算の過去」。生涯をかけたテーマとして戦争責任の問題を追及し、民藝に書き下ろされた「神と人とのあいだ」二部作。しかし『審判』(1970年初演、2006年再演)と『夏・南方のローマンス』(1987年初演、2013年再演)とはこれまで独立して、別々にしか上演されてきませんでした。互いに呼応し、かねてより連続上演が望まれていたこの衝撃の二作品を、劇団の総力をあげて初めて一挙上演いたします。
連合国による東京裁判をスリリングな論理や語調で描く第一部と、無法がまかり通る軍事法廷の悪夢を女漫才師の日常的な視点から描いた第二部。「どうしても取り返しのつかないことをどうしても取り返す」ために、この二部作上演は戦後日本の痛恨の出発点を捉えてやまないでしょう。
【木下順二】(1914-2006)
東京・本郷生まれ。1949年『夕鶴』をはじめ、戦後の日本演劇を代表する劇作家として、『風浪』『オットーと呼ばれる日本人』『沖縄』『子午線の祀り』などを発表。戯曲のほか小説、演劇評論、シェイクスピア翻訳など幅広い分野にわたり活躍。1991年『巨匠』が最後の劇作に。
第一部 審判
敗戦の翌年から二年半にわたって行われた「東京裁判」(極東国際軍事法廷)。東条英機らA級戦犯が裁かれたこの厖大な速記録をもとに、木下順二が深刻かつ滑稽な裁判劇に再構築。第一幕は、従来の国際法にはなかった「平和に対する罪」(A級)のありかたを。第二幕ではヴェトナムでの日本軍の残虐行為が裁かれ、第三幕はアメリカの原爆投下に大きな焦点があてられる。息づまるような議論の応酬。そこには大国のエゴや駆け引きがあり、〈戦争と人間〉の本質を衝くドラマが描かれていく……。
第二部 夏・南方のローマンス
敗戦数年後のとある公園。ある上等兵が南方の島で絞首刑を宣告された。愛人であった女漫才師は、ある日ついに彼の妻に会いに行く。折から通りかかった戦友たち。なぜ上等兵は殺され、戦友たちは助かったのか。やがて明らかにされていく南方でのBC級戦犯裁判。島民虐殺を命じた参謀中佐の刑が軽く、通訳だった上等兵が「人道に対する罪」を問われ、
極刑となる。悪い夢だったとつぶやく戦友たち。夢ですまされるかと、かみつく女漫才師。もう何もかも忘れたい、という上等兵の妻。いったい誰が誰を裁いたのか? やり場のない憤りに身をもてあまし一人残された女漫才師の心に、上等兵はたしかに生きつづけているのだった……。
第一部 審判 | |
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判事A(ニュー・ジーランド人) | 今野鶏三 |
首席弁護人(日本人) | 安田正利 |
〃 | 小杉勇二 |
首席検察官(アメリカ人) | 神 敏将 |
裁判長(オーストレイリア人) | 千葉茂則 |
弁護人A(アメリカ人) | 高野 大 |
弁護人B(アメリカ人) | 山本哲也 |
検察官A(フランス人) | 西川 明 |
検察側証人A(フランス人) | 小杉勇二 |
〃 | 大野裕生 |
弁護人C(アメリカ人) | 吉岡扶敏 |
弁護人D(日本人) | 松田史朗 |
弁護人E(アメリカ人) | 伊藤孝雄 |
検察官B(イギリス人) | 境 賢一 |
検察官C(ロシア人) | 杉本孝次 |
弁護人F(アメリカ人) | 水谷貞雄 |
弁護人G(アメリカ人) | 内藤安彦 |
弁護人H(日本人) | 高橋征郎 |
法廷執行官(アメリカ人) | 仁宮 賢 |
法廷書記(アメリカ人) | みやざこ夏穂 |
言語モニター | 大野裕生 |
判事 | 天津民生 |
MP | 平松敬綱 |
〃 | 細山誉也 |
第二部 夏・南方のローマンス | |
男A | 齊藤尊史 |
男B | 細山誉也 |
男C | 吉岡扶敏 |
少年・島民の少年 | (子役) |
女A | 桜井明美 |
女B | 中地美佐子 |
旅団長 | 伊藤孝雄 |
民政部長 | 小杉勇二 |
参謀 | 本廣真吾 |
男D | 平松敬綱 |
男E | 境 賢一 |
男F | 塩田泰久 |
裁判長 | 山本哲也 |
陪席判士 | 大野裕生 |
〃 | 天津民生 |
検察官 | 仁宮 賢 |
弁護人 | みやざこ夏穂 |
外国人兵士 | 神 敏将 |
島民の女A | 仲野愛子 |
島民の女B | 伊木瑠里 |
島民の男 | 高野 大 |
装置 | 島 次郎 |
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照明 | 前田照夫 |
衣裳 | 緒方規矩子 |
効果 | 岩田直行 |
擬闘指導 | 森岡隆見 |
舞台監督 | 中島裕一郎(第一部) |
〃 | 風間拓洋(第二部) |
2018年2月24日(土)~3月10日(土) 紀伊國屋サザンシアター TAKASHIMAYA(新宿南口)
2月 | 24 土 |
25 日 |
26 月 |
27 火 |
28 水 |
3月 | 1 木 |
2 金 |
3 土 |
4 日 |
5 月 |
6 火 |
7 水 |
8 木 |
9 金 |
10 土 |
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13:30 | 13:30 | 休 演 |
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18:30 | 18:30 |
上演地 | 会場 | 上演期日 | 上演回数 | お問合せ |
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新宿 | 紀伊國屋サザンシアターTAKASHIMAYA | 2018年2月24日~3月10日 | 18回 | 劇団民藝 044-987-7711 |
計18回