原題=Candles to The Sun
作=テネシー・ウィリアムズ 訳=吉原豊司 演出=高橋清祐
2014年2月14日(金)~25日(火)
紀伊國屋サザンシアター
アメリカ演劇を代表する劇作家テネシー・ウィリアムズが、劇作家として名をなす前、無名時代に書いた『蝋燭の灯、太陽の光』“CANDLES TO THE SUN”を日本で初めて上演します。
この作品は1937年に地元セントルイスのアマチュア劇団によって初演されましたが、トマス・ラニア・ウィリアムズという本名で書かれていた上に、共作者がいたり、原稿が散逸していたりしていたため、あまりよく知られていませんでした。
しかし、当時の劇団員がもっていた上演台本がテネシー・ウィリアムズ研究家の手にわたり、共作者のジョセフ・フェラン・ホリフィールドが一切の権利を放棄したため、ウィリアムズが亡くなって21年たった2004年に初めて出版されました。
ウィリアムズは、出世作となった『ガラスの動物園』(1944年)や『欲望という名の電車』(1947年)など、詩的でメランコリックな作風で知られていますが、『蝋燭の灯、太陽の光』は、社会の底辺で生きる人々の苦しみと明るい希望の光とを、正義感に燃える25歳の若者らしくまっすぐに描いています。
セントルイスの初日の夜には観客が足をふみ鳴らし、手拍子や歓声をあげ、ウィリアムズも俳優と一緒に大きな拍手を受けたそうです。地元新聞からは劇作家としての才能と将来性を激賞されました。
1927年ごろから36年ごろにかけて、アメリカ南部アラバマ州の炭鉱町。
ブラム・ピルチャーは炭鉱夫としての誇りをもって家族を養ってきたが、妻ヘスターは子どもたちには貧しく奴隷のような暮らしから抜け出してほしいと願っていた。
しかし、別の職を求めて町を出て行ったはずの長男ジョンは北部の炭鉱でトロッコに轢かれて亡くなり、次男ジョエルも炭鉱会社が経営する売店を解雇され、仕方なくヤマに入っていった。
夫を亡くしピルチャー家を頼って炭鉱町にやって来たジョンの妻ファーンは、遺された幼い一人息子ルークには絶対にヤマの仕事をさせまいと誓い、進学させるために懸命に働いた。
しかし、17歳になったルークは足りない学費を自分で稼ぐと言って、ファーンが必死に止めるのにもかかわらず、ブラムとジョエルとともに、もっとも危険な5番坑に入っていった。
ファーンの心配は現実のものに。落盤事故が起こり、汽笛が町に鳴りひびく……。
ブラム・ピルチャー(炭鉱夫) | 千葉茂則 |
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ヘスター(その妻) | 箕浦康子 |
スター(その娘) | 桜井明美 |
ジョエル(その息子・次男) | 西部 守 |
ファーン(ピルチャー家の長男ジョンの未亡人) | 日色ともゑ |
ルーク(ファーンの息子) | 岩谷優志 |
ルーク(ファーンの息子・七歳の頃) | 菊地飛翔(立花演劇研究所) |
〃 | 吉田 湊(立花演劇研究所) |
バーミンガム・レッド(炭鉱夫) | 吉岡扶敏 |
ミス・ウォーレス(学校の先生) | 河野しずか |
ティム・アダムズ(会社が経営する売店のマネージャー) | 山本哲也 |
ミセス・アベイ(炭鉱支配人の妻) | 戸谷 友 |
エセル・サンター(近所に住むオールドミス) | 有安多佳子 |
ホワイティー・サンター(信心深い老人) | 今野鶏三 |
ショーン・オコーナー(炭鉱夫) | 内藤安彦 |
テロリストたち、炭鉱夫たち | 平松敬綱 |
〃 | 岡山 甫 |
〃 | 吉田正朗 |
〃 | 長畑 量 |
〃 | 細山誉也 |
炭鉱夫の妻たち | いまむら小穂 |
〃 | 印南 唯 |
〃 | 神保有輝美 |
装置 | 堀尾幸男 |
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照明 | 中川隆一 |
衣裳 | 西原梨恵 |
効果 | 岩田直行 |
舞台監督 | 中島裕一郎 |