作=吉永仁郎 演出=高橋清祐
2012年2月3日(金)~14日(火)
紀伊國屋サザンシアター
こぼれる笑いとあふれる涙、心にしみるセリフの数々……。祖父・広津柳浪と父・和郎、娘・桃子の作家三代のおかしな家族の近景をユーモラスに描いた吉永仁郎氏の快心作です。2001年の初演いらい全国各地で上演を重ねつつづける感動の舞台。家族を結ぶ不器用な愛情、和郎の友人・志賀直哉と宇野浩二との男の友情を描きながら、家族のあり方、人間の生き方、そして人が真実にむかう姿勢を凛として浮かび上がらせます。
戦後最大の冤罪事件にペン一本で挑んだ広津和郎
病身の和郎に寄り添い支えつづけた一人娘の桃子
父と娘とのおかしくせつない家族のきずなを描く
下山事件、三鷹事件と国鉄にかかわる怪事件がつづく1949年。8月17日未明、福島県の松川付近で列車が転覆、多くの死傷者を出した松川事件。検挙された容疑者20名が第一審で死刑を含む有罪判決。無実の罪の被告たちを救うため、ペン一本で奮闘する広津和郎。その父を支えつづける娘・桃子――しかし戦前は母との別居によって心にうずまく父への不信、戦中は戦争協力を忌避して「負ける戦争はしないものだ」とうそぶく父への憤りがありました。松川裁判をたたかいつづける病身の父にぴったり寄り添う桃子は「好きよ、お父さんが好き」とひとりつぶやきます……。
広津和郎(作家) | 伊藤孝雄 |
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松沢はま(和郎の妻) | 仙北谷和子 |
広津桃子(和郎の娘) | 樫山文枝 |
広津柳浪(作家・和郎の父) | 安田正利 |
広津桃子(女学生時代) | 飯野 遠 |
宇野浩二(作家・和郎の友人) | 小杉勇二 |
志賀直哉(作家・和郎の友人) | 水谷貞雄 |
赤間勝美(松川裁判の被告) | 伊東理昭 |
安藤貞男(取調べの証人) | 梶野 稔 |
〃 | 平松敬綱 |
飯島義雄(取調べの証人) | 武藤兼治 |
〃 | 塩田泰久 |
兼子ツヨ子(取調べの証人) | 藤巻るも |
赤間ミナ(取調べの証人・勝美の祖母) | 披岸喜美子 |
〃 | 田畑ゆり |
武田辰雄(警察官・巡査部長) | 松田史朗 |
玉川正(警察官・警視) | 伊藤 聡 |
装置 | 勝野英雄 |
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照明 | 尾藤俊治 |
衣裳 | 貝沼正一 |
効果 | 岩田直行 |
舞台監督 | 中島裕一郎 |
演出助手 | 兒玉庸策 |