作=小山祐士 演出=高橋清祐
2010年12月3日(金)~20日(月)
三越劇場
舞台は大恐慌とファシズムの足音に揺れる昭和初頭。学生街本郷の素人下宿「四丁目ハウス」に展開する人間模様をあたたかい眼差しで描きだしてゆきます。作者の小山祐士氏は、『泰山木の木の下で』『瀬戸内海の子供ら』など民藝を代表する演目で知られる劇作家。本作は小山氏の処女作にあたります。民藝での初演は1982年、宇野重吉の演出により三越劇場ほか全国各地で上演しました。喜びや哀しみ、いつの世にも変わらない人間の営みが、現代社会への深く静かな問いを発します。
九城間弓は、昭和5・6年の大恐慌により、機会会社の要職を辞して妻の扶可子とともに上京、本郷で学生相手の下宿屋「四丁目ハウス」をはじめました。ところが、エリート官僚の弟が財閥令嬢との縁談をとりまとめるために兄夫婦に下宿屋の廃業を迫ります。加えて大学は出たけれど職のない扶可子の弟・道樹や下宿屋に出入りする朽木夫人、女中がひそかに思いを寄せる恋模様と、移り行く季節の中に生きる人びとは十二月を迎えようとしているのでした……。
九城間弓 | 梅野泰靖 |
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九城扶可子 | 奈良岡朋子 |
九城次郎 | 竹内照夫 |
秋本道樹 | 小杉勇二 |
蓮見いけみ | 河野しずか |
朽木夫人 | 樫山文枝 |
鞆浦江東夫 | 塩田泰久 |
〃 | 平松敬綱 |
女中 しづ | 有安多佳子 |
〃 | 大越弥生 |
女中 初江 | 日色ともゑ |
藤井得行 | 伊東理昭 |
装置 | 勝野英雄 |
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照明 | 尾藤俊治 |
衣裳 | 貝沼正一 |
効果 | 岩田直行 |
舞台監督 | 中島裕一郎 |