原題=And a Nightingale Sang
作=C・P・テイラー 訳・演出=丹野郁弓
2010年4月14日(水)~26日(月)
紀伊國屋サザンシアター
C・P・テイラーは1929年にイギリス・グラスゴーで生まれ、しかし生涯のほとんどをニューカッスルという炭鉱町で過ごしました。81年に亡くなるまで、50を超える戯曲やテレビ台本を書き、『そしてナイチンゲールは歌う…』は77年の作品です。人間に対する彼の深い洞察力は、劇作家になるまで職を転々としたことで育まれたのかもしれません。
第二次世界大戦の始まったその日から1945年のヨーロッパ戦勝記念日までの家族の生活を描いたこの作品は、嵐のような時代に翻弄されながらも確かに生きる労働者階級の人々を笑いとペーソスをこめて描き出していきます。
1939年、ニューカッスルでストット家の人々は戦争が始まったことすら気づかずにいた。祖父のアンディーはペットの犬の葬式で、炭鉱夫の父のジョージはピアノを弾くことに夢中、母のペギーは行きつけの教会で神父さんが解雇されたことで大わらわ、次女のジョイスは恋人のエリックのプロポーズにどう答えたらいいのか決めかねている。家族の大騒動を遠巻きに観察している長女のヘレン。彼女は片足が生まれつき短く、そのせいで自分には恋愛なんて遠い話だと信じ込んでいる。そんな彼女にもやがて恋の芽生えが訪れる。しかしそれは戦争のさなかの切ない恋であった……。
ヘレン・ストット | 中地美佐子 |
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ジョイス・ストット | 桜井明美 |
ジョージ | 杉本孝次 |
ペギー(母) | 日色ともゑ |
アンディー | 里居正美 |
エリック | 吉田正朗 |
ノーマン | 吉岡扶敏 |
装置 | 松井るみ |
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照明 | 前田照夫 |
衣裳 | 緒方規矩子 |
音楽監督 | 日高哲英 |
効果 | 岩田直行 |
舞台監督 | 武田弘一郎 |