劇団民藝はこれまでの71年間で約490作品、約23,000ステージを上演。現代演劇の創造を通して、多様な価値観を共有する心豊かで平和な社会づくりを目指して歩んできました。多くの人びとが演劇芸術を享受できるよう東京はじめ全国各地で積極的に上演を続けるなかで、より良い未来に向けた様々な取り組みを続けています。
さらにひとりでも多くの人が演劇を楽しめるようバリアフリーへの対応にも取り組み、1957年に劇場ロビーに託児所を設置したのをはじめ、視覚障がい者のための点字公演パンフレットとチラシ、民藝後援会の会報紙「月刊民藝の仲間」の音読CD、手で触れられる舞台模型の製作、観劇当日の事前舞台説明会の実施、ならびに聴覚障がい者のための上演台本の事前貸出などをおこなっています。
その他にも観劇前の期待感を高めるプレイベントやSNS等を使った情報発信、観劇後の満足度を深める客席での出演者との交流会やアフタートークを実施することで、演劇をより身近に感じながら多様な声に触れる相互交流の場を提供しています。
人生100年時代に対応した芝居づくりとともに、若い世代にも気軽に劇場へ足を運んでもらえるよう25歳以下を対象にご寄附金による無料観劇制度「ルーキーシート」を2022年に設けました。翌年にはこの「ルーキーシート」を人生の先輩が支援する会員制度も始めました。
また劇団の本拠地・川崎市麻生区黒川での稽古場公演、近隣の親子を招いての「おはなし会」、演劇鑑賞団体との定期的な例会づくり、麻生文化協会とデッサン会「舞台扮装を描く会」を実施、中高生の職場体験や近隣大学のインターンシップの受け入れ、ならびに「川崎・しんゆり芸術祭」への参加など、地域の芸術文化の発展・育成にも貢献してきました。多様な働き方の促進と女性が働きやすい職場環境の整備づくりにも取り組んでいます。
さらに川崎市の「かわさきSDGsパートナー」の認証を受けることにより、「誰一人取り残さない」持続可能な未来を目指して、地元川崎市のみなさまと一緒により良い街づくり、地域づくりをさらに進めていきたいと考えています。
SDGsとは「Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)」の略称です。2001年に策定されたミレニアム開発目標の後継として,2015年9月の国連サミットで加盟国の全会一致で採択された「持続可能な開発のための2030 アジェンダ」に記載された2030年までに持続可能でよりよい世界を目指す国際目標です。17のゴール・169のターゲットから構成され、地球上の「誰一人取り残さない」ことを誓っています。SDGsは発展途上国のみならず、先進国自身が取り組む普遍的なものであり日本も積極的に取り組んでいます。
あらゆる場所で、あらゆる形態の貧困を終わらせることが目標
飢餓を終わらせ、食料の安定確保と栄養状態の改善を達成し、持続可能な農業を促進することが目標
あらゆる年齢のすべての人々の健康的な生活を確実にし、福祉を推進することが目標
すべての人々に、だれもが受けられる公平で質の高い教育を提供し、生涯学習の機会を促進することが目標
ジェンダー平等を達成し、すべての女性・少女のエンパワーメントを行うことが目標
すべての人々が水と衛生施設を利用できるようにし、持続可能な水・衛生管理を確実にすることが目標
すべての人々が、手頃な価格で信頼性の高い持続可能で現代的なエネルギーを利用できるようにすることが目標
すべての人々にとって、持続的でだれも排除しない持続可能な経済成長、完全かつ生産的な雇用、働きがいのある人間らしい仕事(ディーセント・ワーク)を促進することが目標
レジリエントなインフラを構築し、だれもが参画できる持続可能な産業化を促進し、イノベーションを推進することが目標
国内および各国間の不平等を減らすことが目標
都市や人間の居住地をだれも排除せず安全かつレジリエントで持続可能にすることが目標
持続可能な消費・生産形態を確実にすることが目標
気候変動とその影響に立ち向かうため、緊急対策を実施することが目標
持続可能な開発のために、海洋や海洋資源を保全し持続可能な形で利用することが目標
陸の生態系を保護・回復するとともに持続可能な利用を推進し、持続可能な森林管理を行い、砂漠化を食い止め、土地劣化を阻止・回復し、生物多様性の損失を止めることが目標
持続可能な開発のための平和でだれをも受け入れる社会を促進し、すべての人々が司法を利用できるようにし、あらゆるレベルにおいて効果的で説明責任がありだれも排除しない仕組みを構築することが目標
実施手段を強化し、「持続可能な開発のためのグローバル・パートナーシップ」を活性化することが目標